越前大野の名水ができるまで


越前大野の地下断面図

 越前大野の四方を取り囲む1000b級の山々に降り積もった雨や雪が地下にもぐり、伏流水となって湧き出してきたのが大野の清水(しょうず)です。
 山肌からしみ込み地中を流れる間に様々なミネラルを吸収し、越前大野の下にたどり着く頃には理想的なミネラルバランスのおいしい水になっているのです。このミネラルバランスはNHKの調査でも、おいしい水の理想的な形に最も近い、日本一おいしい水としても紹介されました。
 地下水は30b流れるのに約1年かかるといわれ、越前大野の地下100b以上のところには、1万年以上昔の水が今も眠っているといわれています。
 越前大野の地下にはお椀型の地層があり、この地層が名水を守り育てているのです。



衛星写真

 大野市はこの衛星写真からもわかるように、高い山に囲まれ越前の代表的な河川が集まる水と緑豊かな扇状盆地です。これほど見事な盆地地形は全国でも珍しいとのことです。
 盆地であるがゆえに、四方の山々からは水が豊富に流れ込み、昼夜の寒暖の差が大きいことでお米をはじめおいしい農作物が採れ、冬は雪深くきれいな空気が守られています。
 他県から越前大野を訪れたある蔵元が「まさに神が酒造りのために創られた地」といってうらやましがったという話がありますが、越前大野はすべての面で酒造りに非常に適した環境といえるでしょう。